作業工程
切子は色を被せたガラスの表面をダイヤモンドの刃でカットし、模様を刻んでゆくものです。すべて長年
の
経験
と
勘
による手作業で行われます。
このページでは、江戸切子ができあがるまでの工程をご紹介します。おおよそ次の5工程を踏んで完成します。
割付(わりつけ) 模様の見当となる直線を引きます。細かい模様の下絵はありません。つまりすべて勘で削っていきます。現在は金色のマーカーを使いますが、それ以前は筆に墨を含ませて線を引いていました。
荒削り(あらけずり) 大きな模様をはじめに削ります。回転する円盤状の刃にガラスを当て、その表面に模様をつけてゆくのですが、カットの幅、深さ、形などによってさまざまな種類の刃を使い分けます。そのため、私たちの工房には数百種類の刃が用意されています。
三番削り(さんばんずり) さらに細かい模様を削ります。ガラスをカットする刃は以前は鉄の刃が使われていましたが、20年ほど前から工業用ダイヤモンドが使われるようになりました。ダイヤモンドを使うようになって、より複雑なデザインが可能になりました。
石かけ 回転する石に当ててカットした面を滑らかにします
。
磨き この工程が必要なのは、ソーダ石灰ガラスの場合です。クリスタルガラスの場合は、薬品処理するために、この工程は要りません。全体を石盤や木盤を使って丹念に磨きます。このときに細かい石の粒子をつけて磨きます。さらにブラシや布を使う場合もあります。これで完成です。この石盤、木盤など、磨くための道具は模様によって使い分けるので、工房には数百種類が用意されています。