クリスタルって・・・・何?
● なぜクリスタルが高価なのか皆さんはご存知ですか?
実の所クリスタルもソーダガラスも無色の物だけを見ると
その素材価値はあまり変わらないのです!
価格も、せいぜい1対1,5と 言った所です。
――――では、なぜ?――――
高級なカット(カットガラス)にはクリスタルを使用した方がより美しいからです。
その価値判断は実に宝石ともよく似ています
宝石は原石よりもカットの作業に重要な価値があります。
しかし、クリスタルは消費者の間では「クリスタルだから!」というイメージばかりが
先行してしまい、クリスタル=高級、 という方式が定着したのです
その証拠に、今でも量販店ではクリスタルグラスが破格の値段で売られています。
念を押して申しあげます!
「クリスタルが高級なのではなく、カットガラスが高級なのです!」
―― 予談――
クリスタルとは鉛が24%以上溶け込んでいるガラスの事です。
そもそもガラスの原色とは、コーラやビールのビンの様な色で出来ています
そこに鉛を溶かし込む事でガラスが金属反応を起こし無色な透明に
変色するのです。
● ここまでの話は、あくまで透明のガラスの話、
”色被せガラス”となると話は別問題!
特に鉛の含有率24%以上の金赤は超高級!!!
ソーダガラスの金赤と比べればその素材価格はなんと 3倍、
無色のソーダガラスと比べれば約6倍!
ガラスが金属反応によって赤や青に発色する ことは
ご存知の方も多いと思いますが 、 
金赤はガラスの中でも特に発色が難しく
その日の 釜の コンディション一つで, 溶かしたガラスの色が濁ってしまい おしゃかになる事も多々あります。
したがって、 色ガラスを製造している 工場にとって, 成分の調合データは
今なお、社運を賭けた"最重要機密"として 扱われており
工場ごとにガラスの持ち色が微妙にちがっています
――予談――
ガラスの発色について
クリスタル――――鉛
金赤――――――金
銅赤――――――銅
セレン赤――――セレン
ルリ(青)――――コバルト
―――などによる金属が混ぜられています。
● では、ここからが本題です!
本当にいい物って・・・・何?
本物のカットガラスとは、いったいどういう物なのでしょう?
一言にカットガラスと言ってもその価値と分類はピンキリで、
中にはカットガラスに見せかけた金型製品もありますし、
カットガラスであっても、江戸切子や薩摩切子に見せかけた
輸入物(韓国、中国、台湾、ハンガリー、等々)のフェイク、
なども、 多く出回っています。
はたまたカットガラスではあっても表面がとろけるまで
薬品(酸磨き)に漬け込みカットガラス本来のよさを完全に無視した物まであります。
決してこれらの商品が商品として粗悪だと言っているのではありません。
消費者から見れば、これらはリーズナブルと言う面において、
とても優秀だとも言えるからです。
しかしながら本物と呼べるカットガラスにのみに限定すると
おのずと、的は、しぼられてきます。
●結論!本物の条件とは
鋭いエッジと光沢、そして模様の正確さ!
この一言に尽きます。
この条件を満たすために最低限必要な作業工程が存在し
我々職人は 一流のカットガラスとして、常に追求している課題でもあります。
コストダウンをしようとしたり、合理化を進めようとすれば
必ずと言っていいほど、この三つの条件の内どれかが犠牲になり、
その商品価値を見極める上でも、最大のポイントとなります。
皆さんのご家庭にあるカットガラスは本物ですか、それとも・・・・・?
―――予談―――
やはり一流といえば、皆さんもご存知のとおり
バカラでしょう!中でも無色のものに関していえば
その光沢は我々職人の御手本とも言えます
日本に出荷される直営店向けの製品に関しては
他の国に出荷される同じ商品の中でも特に検品率が厳しいのだとか
それほど日本人が神経質で口うるさい人種と思われているのも
どうやら事実らしい。
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